最近の迷惑メール増加を受け、学習型の迷惑メールフィルタを持つソフトウェアが増えている。学習型の迷惑メールフィルタの場合、迷惑メールと通常メールの両方をある程度まで学習させるとかなりの確率で迷惑メールを振り分けてくれるようになる。しかし、精度が高いとは言っても100%になるわけではないので、全く間違いが無いとは言えない。これは各プロバイダが提供する迷惑メール対策サービスでも同様だ。
そこで、学習レベルが一定のラインまで達したと感じたら(←これ重要!)、必要なメールアドレスを保護するように指定する。保護されたアドレスは振分けの対象外となり確実に届くようになる。なお、学習レベルがまだ低い状態のときに保護する設定にしてしまうと学習内容に偏りが出てしまうので、くれぐれもある程度の学習レベルに達してから設定するようにしてほしい。
@niftyの迷惑メールフォルダーであれば「アドレスブック」に登録してあるものは振分けの対象外となるので、必要なものはアドレスブックに登録しておいてやればよい。アドレスの数が多くて一括登録したいということであれば、アドレスブックに用意されているインポート・エクスポート機能を利用するのがよいだろう。メールソフトのアドレス帳から書き出したCSV形式のファイルをアドレスブック側で読み込んでやるわけだ。作業の詳細については下記のページを読むとよいだろう。
インポート・エクスポートって何?という向きには下記の記事が参考になる。
学習型の迷惑メールフィルタを備えたソフトとしては
POPFileや
Mozilla Thunderbirdなどが割と有名なので、これらのソフトについても触れておく。
Mozilla Thunderbirdの場合、アドレス帳に登録してあるアドレスを迷惑メールフィルタのプロパティでホワイトリストとすることができるようになっている。アドレス帳に登録さえしてあれば、あとは迷惑メールフィルタのプロパティでホワイトリストとする設定に変更すればOKだ。
POPFileの場合にはマグネットと呼ばれる機能が保護機能として利用できる。こちらも下記の方法で一括登録する事が可能。
- メールソフトからアドレス帳のデータをCSV形式でエクスポートする。Outlook Expressの場合、書き出す項目でメールアドレスを選択すればよい。
- テキストエディタや表計算ソフトでCSVファイルを開き、メールアドレス部分を全て選択してコピーする。
- ブラウザを立ち上げ、POPFileの設定画面を開く。
- ブラウザの画面内にある「マグネット」タブを開く。
- 「マグネットタイプ」のドロップダウンメニューを押してFromを指定する。
- コピーしたメールアドレスを「新規マグネット作成」にある「値」の欄に貼り付ける。
- 「分類先のバケツ」のドロップダウンメニューを押し、spam"以外"のバケツを選択する。
- 「作成」ボタンをクリックする。
参考:POPFile: JP UI/Magnets
メールソフトによってはエクスポート機能を使うとメールアドレス以外のデータも一緒に出力されることがある。その場合、出力したファイルからメールアドレスだけ抽出してやる必要がある。
一番簡単なのはMicrosoft Excelなどの表計算ソフトを利用する方法だろう。表計算ソフトならCSVファイルをそのまま開く事ができる。あとはメールアドレスが表示されている列を選択して一括でコピーすればよい。
表計算ソフトが無い場合にはテキストエディタでデータを編集して、メールアドレス以外のデータを削除する必要がある。また、アドレスとアドレスの間にカンマ(,)が入っている場合にも注意が必要。カンマは全て改行コードに置換えてからコピーする必要がある。改行コードへの置き換えはテキストエディタの置換機能を使うと一括で変換できるが、今回の作業にはエスケープシーケンスへの対応が必要になる。Windowsのメモ帳にはこの機能がないので(Windows2000版で確認)、Windowsユーザーは別のソフトを利用する必要がある。Windows用のテキストエディタとして有名なものには秀丸エディタやEmEditorなどがある。ちなみにEmEditorはパッケージ販売もなされているようだ。Amazonでの購入もできる。
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さくさくと軽快

シェアウェアのエディタソフトのパッケージ版

最高のエディタ
シェアウェアを購入するほどの必要性がないなら、TeraPadなどフリーのテキストエディタを利用すればよいだろう。フリーではあるが、必要十分な機能が揃っているソフトなので、今回の作業には十分だと思う。TeraPadを使いこなしてみたい向きには下記の書籍がお薦めかもしれない。
中村 昇
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ワードよりテキストエディター
改行コードへの置き換えはエスケープシーケンスを有効にした状態で行う。Windows環境なら「,」から「¥n」に置換える(実際は半角英数字で入力すること)。TeraPadでの作業は下記のとおり。
- エクスポートしたCSVファイルをTeraPadで開く。
- メニューバーから[検索(S)]→[置換(R)]を選ぶ。
- 検索する文字列(T)に「,」、置換後の文字列(R)に「¥n」を入力する。
- オプションの欄にある「¥n=改行,¥t=TAB,¥¥=¥(E)」のチェックボックスにチェックを入れる(→エスケープシーケンスが有効な状態になる)。
- [全て置換]ボタンを押す。
これでカンマのあった部分が改行された状態になっているはずだ。
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