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ココログの仕様改悪にみる、@niftyによる視覚障碍者の軽視。

いくつか書きかけの記事があるのだが、それよりも先に指摘すべき内容なので書かせていただく。

@niftyは視覚障碍者(しかくしょうがいしゃ)を軽視しているのだろうか?と感じさせる仕様変更がココログで行われた。ココログのバージョンアップに伴い、コメント書き込み時に画像認証が導入されたのがその変更である(詳細はブログ:ココログ:ココログサポート:ココログ通信第8回を参照のこと)。この画像認証については一般の健常者と思われるユーザーからもいくつか指摘がなされているが、それについては置いておく。

一番問題なのは、画像認証を導入した事で視覚障碍者をブログのコメントから排除する状況を作り出してしまったことである。アクセシビリティの観点から見て、これは改悪といわざるおえない。しかもどちらかというと劣悪な部類である。


ココログで導入されている画像認証は一般的にはCaptchaと呼ばれる手法であるが、画像内にある文字を目で読んで書き込むことで認証を行うため、画像を読むことができない視覚障碍者は認証作業を行うことができない。そのため結果としてサービスから視覚障碍者が排除されてしまうという問題が発生する。

この手法については過去にもGoogleやYahoo!などでユーザー認証の際に導入され、視覚障碍者から抗議の声が何度も上げられている。大きな問題としてニュースでも取り上げられたことがあるので、仕事上ユーザビリティやアクセシビリティに関わりがあるような人にとっては既に知られている事といってよいものである。

ITmedia News:アクセシビリティに扉を閉ざしたままのGoogle (1/2)
ITmedia News:アクセシビリティに扉を閉ざしたままのGoogle (2/2)
大規模サイトに潜むアクセシビリティの落とし穴:ITpro

@niftyクラスの企業にはおそらくユーザビリティやアクセシビリティの専門家もいるはずだが、なぜこの手法をブログのコメント欄に採用したのだろうか?


Captcha - Wikipediaにも解説があるが、「Captchaは機械可読ではないように設計されているので、スクリーンリーダのような一般的な支援工学のツールでは解釈できない。」という現状がある。視覚障碍者がスクリーンリーダを使っても認証作業を行うことができないのだ。

また、「Captchaが視覚的である必要はないが、現実問題として音声(聴覚)Captchaの開発は画像(視覚)Captchaよりも後れを取っているようなので、現状では有効ではないかもしれない。」という現状も指摘されている。

Yahoo!やGoogleではこの問題の解決方法として電話オペレーターによる認証作業代行を採用していると記憶しているが、ブログのコメント欄でこの方法を取るのは現実的だろうか?

ブログのコメント欄はYahoo!やGoogleのアカウント認証とは異なり、認証用のアドレスも一意ではないはずなので、一々どのブログのどの記事にコメントしようとしているのかをオペレータに教えなければならないといった手間がかかる。またブログの書き込みはアカウント認証と比べても圧倒的に数が多い。記入数などを考えてもオペレータに頼る手法は現実的ではないだろう。

つまり、現状の仕様ではブログのコメント欄に画像認証を採用されると視覚障碍者は手も足も出ないことになる。


このように著しく視覚障碍者の発言権を阻害し、アクセシビリティを低下させる手法であることは明らかである。にも関わらず、この仕様を続けるのであれば、@niftyの企業としての見識も問われることになる。

@niftyの親会社である富士通はユーザビリティやアクセシビリティへの取り組みやツールなどの成果を公開しているが、こういったことが起きると親会社の姿勢まで疑われることになりかねない。


もっとも、他の認証方法が無いわけでもない。Captcha - Wikipediaに書かれている内容に次のようなものがある。

何かのテキストの意味を理解するような、他の種類の課題もCaptchaとして用いることができる。例えば、論理パズルや常識問題、パスワードそのものでなくバスワードの構成法を教える、などである。

それ以外についてもいくつか方法が考えられるとは思うが、いずれにしても特定の条件を持ったユーザーを排除することは避けなければならないので、複数の方法から選択できるようにするなどの工夫が必要になる。

物作りの経験をもつ古河社長であれば、こういったことはよくお分かりのことかと思う。であればこそ、ユーザの視点で見る習慣を思い出していただきたい。

Crossing Fingers/クロッシングフィンガーズ: セキュリティとアクセシビリティでも言われているが、「できれば安易に導入するのではなく、誰もが使えるセキュリティシステムを目指して欲しいと切に願う。」という言葉を念頭に置きつつ、早急に改善策を導入していただきたいと願うものである。


他ブログの関連記事:
豆雷太  記: 当ブログをご覧いただいている皆様へ(長文)
空とぶ海猫亭: コメントの逐次検証は不要etc.
世の中は不思議なことだらけ: 新ココログのスパム対策

追記:ココログスタッフの方々へ。当然であるが、ココログには視覚障碍者と思われる方のブログも存在する。今回の改悪はそういった方々の権利も阻害しているといったことを忘れないでほしい。彼らも大切なユーザーなのだから。(※なお、私自身は健常者である。)


2006年4月3日:追記

2006年4月8日:追記

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コメント

こんにちは。
「世の中は不思議なことだらけ」です。
トラックバック及び、本文での紹介ありがとうございます。
また、どうぞ、よろしくお願いいたします。

投稿: ラム | 2006/03/30 08:23

TB&本文リンク、ありがとうございます。

ここ最近のココログ(@nifty)は「どうかしちゃってるの?」と思うくらい
とんちんかんな事ばかりやっていますよね。
29日付けで社長ブログが更新されていますが、暢気なもんです・・・
違った意味で、頭が下がります。

投稿: 豆雷太 | 2006/03/30 19:56

ラムさん、豆雷太さん、コメントありがとうございます。
本当に不思議ですね。何でこんなとんちんかんなことになっているのか、全く分かりません。

@niftyの社内からある程度は当記事へのアクセスがあるようなので、状況は把握されているとは思うのですが、どういう改善策をとるのか、ちょっと心配です。

投稿: Kazabana | 2006/03/30 23:14

スタッフルームのトラバから飛んできました。

(一時的な措置かもしれませんが)現在時点ではコメントの認証がなくなったような…? Kazabanaさん達の指摘でニフが動いたんだったら嬉しいなあ~ 視覚障害の方達の使い勝手ももちろん、健常者にとっても、自分のブログにコメントするのにも認証って、なんじゃそりゃ! って感じでしたから。

投稿: むた | 2006/03/31 21:16

むたさんこんにちは。

お知らせココログによると、「お客様の利便性を向上させるため、コメント投稿時の画像認証の出現頻度の調整を行いました。」ということだそうです。

お知らせココログ: 3月28日メンテナンス後の状況について(第五報)
http://info.cocolog-nifty.com/info/2006/04/328_fb0a.html

一般利用者にとっての利便性は改善されましたが、視覚障碍者向けの対応も忘れずに行ってほしいと思いますね。

投稿: Kazabana | 2006/04/02 11:40

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