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文化によって違う「食べてはいけない」と、その理由。

カーチャの日記:犬を食べた事がありますか?より。

『犬を食べた事がありますか?』こういうふうにサンクトへ来たばかりの日本人留学生はジョークが好きなロシア人によく聞かれます。

この話、日本人に対してならばジョークにもなるが、韓国・中国広東省・ベトナム辺りの人に同じ質問をすると違った反応が返ってくるかもしれない。コメントでもあるように、食文化の中に「犬を食べる」というものがあるからだ。ある国の人にとっては非常識でも、その食文化がある国の人にとっては常識となる、というのは良くある話だ。質問された本人にとって非常識だからこそ、嫌な顔をする。逆に、非常識とは思わない文化なのにさも非常識といわんばかりに言われれば、これも自国の文化を否定されるわけで、これまた違う意味で嫌だろう。

日本以外の国で「何々を食べた事はありますか?」という質問をした場合、同様の反応が返ってくると予想されるメジャーなものは

  • 牛(ヒンズー教徒)
  • 豚(イスラム教徒)
  • 鯨・イルカ(非捕鯨国)

といったあたりか。食べてはいけない理由がそれぞれ違うのも面白い。

  • 牛=ヒンズー教では神聖なる動物
  • 豚=イスラム教ではけがれた動物(昔、豚を介する病気が流行したため?)
  • 鯨・イルカ=哺乳類を食べるのは可哀想
  • 犬=ペットとして寵愛するものを食べるのは可哀想

つまり、上の動物を食べる文化圏では上で見られるような「食べてはいけない理由」が存在しない(あるいは存在が弱い)わけだ。文化が変われば趣向も理由も変わるのは当然で、それを念頭に置かずに「恥ずかしくないの?」と聞くのはそれこそ恥ずかしいことかもしれない。


ところで、日本でも似たような都市伝説として「マクドナルドのハンバーガーにはミミズの肉が使われている」といった類のものがある。こちらは衛生面での問題というよりは肉の質(マクドナルドは仕入れ時において世界中で一番安い肉を使うらしい)を皮肉ったのだと思われるが、ミミズの場合は食用ミミズなるものが実際にあったりするからややこしい。

食用ミミズや食用ガエル(ウシガエル)は実際にはその用途として存在する(存在した)が、食べたくないという反応が多い。要は普段の生活でゲテモノ扱いされるものは食べたくない、ということなのだろう。食べてはいけないものではないが「気持ち悪いから」食べたくはない、という心理だ。

この心理と対極にあるのが、虫愛づる姫君(堤中納言物語)や、虫愛づる姫君がモデルの一つといわれる「風の谷のナウシカ」のナウシカの存在かもしれない。もっとも、虫愛づる姫君やナウシカの場合、虫を寵愛こそすれども虫を食べるわけではない。彼女らは既存の価値観へのアンチテーゼともいえる存在である。

動物を食べてはいけない・食べたくない、がもっと進むと、動物を食べる事を避ける菜食主義者になる。ただし、菜食主義の場合は食べない理由が宗教上の理由でないことも多い。動物を食べる事は可哀想という感情的な理由や、動物性たんぱく質を取らないようにする事で体質改善をしたいことが理由の場合もある。そういえば菜食主義のプロレスラーや野球選手なんてのもいる。スポーツ界も一種の文化圏といえるかもしれない。

一口に食べてはいけないといっても、その理由は様々なのである。

参考

ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」
宮崎 駿
徳間書店 (2003/10/31)
売り上げランキング: 851
おすすめ度の平均: 4.88
4 内容は世界最高
5 映画しか見てない人に
5 運命、死、そして滅び

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