PCのバックアップ、あなたはやってますか?
ここのところバックアップネタにあまり触れていないが、そろそろ「データバックアップメモとか言っておきながら、バックアップネタはやらんのか?」といわれそうなので久しぶりに扱ってみることにしよう。
PCのバックアップ、ちゃんとやってますか? あなたが今このブログを見てるそのパソコン、最後にバックアップしたのはいつですか? 個人の趣味用のPCはまだしも、会社のとか仕事用で使ってるのでも意外とバックアップをまともにやってるとこって少ないんじゃないでしょうか。
未来検索livedoorなどで検索してみると分かるのだが、バックアップを取らずにいて後悔している人は結構多い。バックアップを取っていればこそ復旧が可能なのであって、バックアップ無しに復旧が出来るわけが無い。システムだけ再インストールしても、それまでに作成したデータを飛ばしてしまえば意味がない。ではなぜそれだけ大切なバックアップを取らないのだろうか?
バックアップを取らないわけ●バックアップを取らなくても多分大丈夫だと思っている人
・パソコンが壊れたことが無いので多分大丈夫だ。
・データが壊れたことが無いので多分大丈夫だ。
・ウィルスに感染したことが無いので多分大丈夫だ。●バックアップがよくわからないと思っている人
・何をバックアップすればよいのかよくわからない。
・どうやってバックアップすればよいのかよくわからない。
・何を使ってバックアップを取ればよいのかよくわからない。●バックアップが面倒だと思っている人
・バックアップソフトを購入するのが面倒だ。
・バックアップ作業を毎回行うのが面倒だ。
・バックアップメディアを用意するのが面倒だ。●バックアップを取らなくても困らないと思い込んでいる人
・バックアップ取らなくてもたいしたデータはないから困らないと思い込んでいる。
・ウィルス感染してもたいしたものは入っていないから困らないと思い込んでいる。
・バックアップ取らなくても自分が対応するわけではないから困らないと思い込んでいる。
だいたい分類するとこんなところではないだろうか。なんとなく、根拠が無い・無理解・自業自得・無責任・傍迷惑といった言葉が浮かんでくるような分類だ。
多分大丈夫→根拠が無い
よくわからない→無理解・自助努力をしない
面倒→自業自得
困らないと思い込んでいる→無責任・傍迷惑
といったところか。まあ「根拠が無い」のは己の考えに根拠が無いということを自覚をすればよいわけで、一度痛い目にあっている人はまず自覚があるだろう。「よくわからない」のは知識が無いだけなのか、自助努力を放棄しているのかで大きく変わってくる。知識を身に付ける気持ちがあるのならば望みはあるが、自助努力を放棄しているのは傍迷惑にすらなりえるので困り者である。面倒と思っている者も同様であろう。いずれにしろ痛い目にあったときに自業自得だといわれるのが落ちである。
一番問題なのは困らないと思い込んでいる人ではないだろうか。例えば、会社で大切なデータを飛ばしてしまっても部下に作り直しさせればよいと簡単に思う上司などは、会社にとってあまり良い存在とはいえない。データを作り直す作業を部下に行わせるということは部下が普段行っている業務を停滞させることになり、会社としても非常に大きな機会損失に繋がるからだ。
ウィルス感染しても困らないと思い込んでいる人も問題だろう。ウィルス感染は己が困るだけではなく、他者にも迷惑をかけることに繋がるということが理解できていないからだ。企業であればデータ流出・社会的信用の喪失にも繋がりかねない、場合によっては損害賠償すら求められる場合もある、ということである。
また、「PCが壊れたのならHDDからデータを救出すればよいではないか」と言う人がいるかもしれない。確かに、今はデータサルベージの市販ソフトやフリーソフトが市場に出回っているから、データ救出自体は不可能ではない。だが、HDDからデータをサルベージするにはそれなりの知識が必要であり、場合によってはサルベージを行ったことで逆にデータが飛んでしまう場合もある。さらに企業などの重要機密などであれば、専用業者にデータ救出を依頼するにもリスクが伴う。守秘義務契約を結んでいたとしても、だ。さらに専用業者に依頼するデータサルベージには多額の費用がかかる。そしてなにより問題なのは、サルベージで必ずデータを救出できるとは限らない、ということだ。データサルベージのソフトがあるからといって、バックアップを取らなくて良いことにはならないのだ。
さて、「そうはいってもバックアップというのは面倒ではないか。毎回手動でバックアップするなんてやっていられない」という意見もあるかもしれない。そういう場合は自分のバックアップの手段そのものを見直すことをお薦めしたい。バックアップはある程度の自動化・定期化が可能であり、バックアップソフトやハードウェアを目的に合った適切な形に組み合わせることでかなりの省力化が計れるからだ.
例えば、Norton Ghostはバックアップソフトとしては古株であり有名なソフトであるが、これも用途によって向き不向きがある。Norton Ghostのように、フルバックアップしかできないタイプのソフトは日々のこまごまとしたバックアップを行うといった用途には向いていない。もしそのような用途に用いると、毎回巨大なバックアップデータを作りつづける羽目になる。したがって、フルバックアップしかできないタイプのバックアップソフトは、OSが入っている起動ドライブを復旧させるためのリカバリーCD作成用と考えるのが正しい。
このようなフルバックアップ用のバックアップソフトは、差分・増分バックアップやミラーリングのソフトと組みあわせて使うのがよい。起動ドライブはフルバックアップで、日々の作成データは差分・増分・ミラーリングで、というようにすれば、作成されるバックアップデータのデータ量も減らすことが出来るし、バックアップにかかる時間そのものも減らすことが出来る。さらにスケジュール機能などで自動化しておけば操作の手間も減らすことが出来るだろう。
また最近ではフルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップ・自動スケジュールなどの各機能を備えたバックアップソフトも出てきている。こういったソフトであれば、毎回手動でバックアップさせることをしなくても自動的にバックアップを取ってくれるし、起動ドライブの差分なども簡単に取れるようになるので、「新しいソフトを入れた後に不安定になったので旧環境に戻したい」といった際にも容易に復旧できる。バックアップデータの世代管理も容易になる。さらにネットワーク経由でのバックアップが出来るタイプのソフトであれば、LAN内のサーバなり他のPCなりNASなりにバックアップを保存することもできる。環境によってはLAN経由での復旧も容易に出来る。
このように、上手くやれば非常に手間がかからないバックアップ環境を構築することが可能であるといえる。そのためには先を見越したバックアップ環境の構築こそが肝心である。
で、先を見越したバックアップ環境を作る為にはある程度の知識や情報収集が必要になってくるわけだが、そのような場合にはバックアップ関連の書籍などを読んで知識を身に付けるのが先決である。例えば、本Weblogでもお薦め書籍として紹介している「ファイルの救出 233の鉄則 ― Windows98/Me/2000/XP対応」にはバックアップに関してかなりの情報ががまとまっている。痛い目を見ないバックアップ環境の構築方法やバックアップしやすい環境の構築方法など、非常に役立つ情報が満載の書籍である。知識が足りないと感じているのであればこういった書籍などを読んでみることもお薦めしたい。
※フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップなどの詳細については本家サイトの「バックアップ」を参照してほしい。
※各種バックアップソフトについては本家サイトの「バックアップソフト」を参照してほしい。
※NASについては本家サイトの「NAS(Network Attached Storage)」のページを参照してほしい。
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コメント
hiro-pさん、トラバありがとうございます。
耳の痛い話ばかりで恐縮してしまいます。
私も過去に痛い思いをしてバックアップの重要性は痛感しているくせに、ついつい面倒で後回しにしてしまいます・・・・。
面白いことに(?)、「HDDが壊れた」という話を聞いた友達みんな、一斉にバックアップをしたり外付けHDDを買ったりしたようです。
なんだか良いお手本になったような、踏み台になったような・・・。
もっと簡単にバックアップできるハードなりソフトなりが開発されたらなあと、他力本願にもなってしまいますが(笑)、面倒がってサボッてる時に限って大変なことになったりするので、フルバックアップはまだしも、データーのバックアップだけでもこまめに実行しようと思います。
これからも参考にさせていただきますっ。
投稿: しのぶ | 2004/07/04 01:52
コメントありがとうございます。が、私はhiro-pさんではありません(T-T)。まあ、プロフィール公開していないのがいけないわけですが。
それはさておき、簡単にバックアップできるハードなりソフトなりってのは探してみると結構あるものです。最近だとボタン一つでバックアップできるHDD、なんてのも出てたりします。
それよりも問題なのはやはり知識でしょうか。やはり基礎的な概念が分かっていないと何故バックアップする必要があるのかが理解できず、結局必要なものをそろえることもせずデータを飛ばしてしまう、などということも起こりえますから。
所詮パソコンは不完全な電化製品ですから、自助努力が欠かせないのはしかたがないと思います。
投稿: Kazabana | 2004/07/04 09:28