ココログベーシックの競合は無料Weblogサービス?
@niftyの有料Weblogサービスであるココログがスタートしてから、半年になる。この間、ココログの利用ユーザー数は爆発的な増加を見せた。だが、そろそろユーザー数の増加も落ち着きを見せ始めているように思う。相対的にみると増加率が伸び悩んでいるのはBulkfeeds: Stats - RSS Directory & Searchを見ても明らかだし(折れ線グラフを参照)、新着記事において「とりあえずココログ始めてみました」というような記事の割合が減ってきたことからも推測できる。
当初950円以上の接続コースで使える付加サービスとしてスタートしたこともあり、大手プロバイダのサービスとしてはユーザー増加率が低かった。加入ユーザー数が爆発的に増えたのは、12月下旬に250円のお手軽1コースでの利用が可能になってからである。この低価格路線化が当たり、以後ココログユーザー数は爆発的な増加を見せた。
(参考:古河建純 インターネットBlog:ニフティ会員以外へのココログ提供)
(参考:ココログ定点観測のデータ)。
※ココログ事務局から既存のお手軽1コースユーザー宛にココログに関するメールが送信されたのは2003年12月22日である。
無料Weblogサービスが群雄割拠する中、有料であるココログが爆発的な伸びを見せたのはなぜだろうか?ここにきてユーザー数増加率が落ち着いてきたのはなぜだろうか?この先ココログはどこに向かうのか?
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@nifty側から見た場合、現行のココログは各接続コースで使える付加サービスである。言い方は悪いが、既存ユーザーには「おまけ程度のサービス」として受け取られたわけだ。ただしお手軽1コースに限ってみると、ユーザーからの受け取り方は複雑になる。
12月以前のお手軽1コースはメールアカウントが一つもらえる接続サービスであったが、12月中旬にお手軽1コースでココログ利用が可能になってからは、ココログ自体が250円の有料サービスであるという風に受け取られるようになった。
だが、@nifty側から見れば、ココログはあくまでメールサービス中心のお手軽1コースの付加サービスである。このことは既存のコースへの加入を求めることからもうかがえる。(参考:サービス[ココログ]:@nifty:@nifty会員ではない方へ)
メール転送機能やspamブロック機能などが追加料金無しで利用できることもあり、1ヶ月250円という金額はメールサービスとしてならば妥当な金額である。とはいえ250円程度でメールアカウントを持つことができる有料サービスはたくさんある。それなのになぜこのコースに多数のユーザーがいて、多数のユーザーがココログになだれこんだのだろうか。それには@niftyの生い立ちが関連してくる。
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ご存知の方も多いと思うが、@niftyの前身はパソコン通信のNiftyServeである。
パソコン通信時代のNiftyServeは最大手のパソコン通信として隆盛を誇っていた。だがInternetが始まりIIJやベッコウアメなど定額プロバイダが攻勢してくると、Internetの接続サービスを始めたとはいえ完全従量制だったNiftyServeは徐々に押され、Internet接続を求めるユーザーを他プロバイダに奪われることとなった。
そのNiftyServeがプロバイダとしての生き残りを計るべく富士通系プロバイダのinfowebとの合併を行い、当時ユーザー数最大手のインターネットプロバイダとなり、同時に社名を変更した。ここで現在の@niftyとなる。
合併し最大手としての地位を確立した@niftyは、パソコン通信ではなくInternet接続プロバイダとして世の中に存在をアピールした。だが、Internet接続業者としては料金も高く、多くのユーザーは既に他プロバイダに流出していた。ただ、集積されたコンテンツであったパソコン通信の遺産には見切りをつけていても、NiftyServe時代からのメールアカウントには依然として価値を感じるユーザーが多かったため、アカウントのみ@niftyに残して接続業者を乗り換えるユーザーも相当数いたはずである。
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ところで、NiftyServe時代からのユーザーは何故メールアカウントに価値を感じアカウントを残したのであろうか?それには古参ユーザーであるがゆえの理由があった。
古参ユーザーはユーザー暦が長く、以前からのメールアカウントを知っている人も相対的に多い。そのため最近のユーザーと比べてアカウント変更を伝える必要のある人数が多い。人数が多ければそれだけ人的なコストや手間がかかることになる。非常に煩雑な作業を嫌った古参ユーザーはアカウント変更を避けるため、@niftyのコースはメールだけを使うのに適したコースに変更し、Internetの接続プロバイダのみ他の業者に変更した。
その際、アカウントを残す為に利用されたコースが最後まで残った完全従量制のコースである。このコースは後にメール中心のコースとして@niftyの新コースに取り込まれていく。これが250円のコース、つまり現在のお手軽1コースである。
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そのような状況を考えると、ココログ開始前のお手軽1コースユーザーにはパソコン通信時代からの古参ユーザーが多かったはずで、@niftyの接続サービスはあまり利用しないメールアカウントのみ利用する人が多数派であったとしてもおかしくはない。
ココログが始まる以前だと、お手軽1コースのユーザーは接続サービスをあまり利用しないという意味で@nifty側にとって「消極的な顧客」であったといえる。だが依然としてメールアカウントを残している人が多いのであれば、メールに価値を感じていたことになる。@niftyの潜在的価値を評価し続けてくれたユーザー層であるともいえよう。
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ココログがお手軽1コースのユーザーに@niftyの潜在的価値を見直すきっかけを与えることになったことになったのは、@niftyユーザーであれば一切の追加費用無しにWebサイトを簡単に構築でき更新も簡単だったからであるが、同時にココログ自体がコミュニティツールとして再評価されたからでもある。コミュニティに飢えていたパソコン通信からの古参ユーザーにとって、ココログはまさにうってつけのツールであった。
「250円でメールサービス以外にWeblogサービスとやらも使えるようにするとは、さすがは@niftyだ。Weblogの仕組みはよくわからないがページ更新が簡単らしいという話しだし、なにより皆が使い始めているみたいでコミュニティも出来てきててなんだか楽しそうだ。せっかく追加費用無しで使えるのだし使ってみよう」といった具合である。私もその一人だからその気持ちはよくわかる。
そのような背景を考えれば、ココログがコミュニティ化した要素として沢山の古参ユーザーの存在があるのも当然なのかもしれない。
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だが、ブログを目的として新たに250円コースに加入したユーザーや「たままた@nifty会員だったので利用してみただけ」というユーザーの評価は異なる。ブログの記事でも「この程度の内容で250円も取るなら他の無料Weblogサービスに移動した方がいい」というような意見が散見される。新たに250円を支払ってWeblogサービスに加入した彼らにとって、メールアカウントは余計な機能でしかないし、無料Weblogサービスで十分であるならば、わざわざクレジットカードが必要な有料サービスを使い続ける必要もないからだ。
メールサービスを除いて考えれば、ココログのサービスは無料Weblogサービスと大して変わらないし(あるいは劣っているかもしれない)ある意味ベータ版程度のサービス内容である。だから上記のような評価が出てくるのも当然だろう。
アクセス解析機能の搭載・容量の増量・編集画面の効率化・CSSの充実とカスタマイズ機能の搭載など、無料Weblogサービスが対応している程度の内容ならココログでもベーシックで対応すべきだという意見もある。もしもそうしなければ、メールサービスを必要としないWeblogユーザーが無料サービスに移動してしまうのは時間の問題かもしれない。
そしてココログにとっても、メールアカウントなどは他のWeblogサービスと競争する際の足かせになっている。なぜならメールサービスを提供することはWeblogサービスとして見れば余分なコスト増になるからだ。だが、多くの古参ユーザーがメールアカウントに価値を見出して250円コースに残っていたことを考えれば、メールサービスを切ることは出来ない。切ればココログのコミュニティは崩壊しユーザーは激減するかもしれないからだ。
ココログ目的で加入したユーザーは他の無料Weblogサービスとサービス充実度を比較しているのに対し、250円コースの古参ユーザーはメール+αとして価値を評価している。ココログベーシックは無料Weblogサービスや他の有料Weblogサービスとは異なり、無料Weblogサービスと有料Weblogサービスの中間に位置しているのである。
メールコストを上乗せした価格との折り合いをつけながらサービスの充実を図るにしても、薄利多売が基本姿勢なのは変わらないだろう。メールのアカウントという足かせを捨てられない以上、ココログベーシックのライバルは実は無料Weblogサービスなのであり、そのことを忘れたならあっさりユーザーに見切られる可能性が高いということは覚えておいた方がよいだろう。
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では一体どうすればよいのだろうか?対応策としてはやはり無料サービスにはない付加価値を増やすことが一番だと思われる。
なころぐでも提案されているような
・ココログユーザ向けアフィリエイトパッケージを導入する。
・ソーシャルネットワーキングサービスをはじめる
・アルバムをもっと使いやすくする。(もっとブログやモブログと連携する)
・COCOHORE的な物を提供する。
・RSSリーダやecto的なものを作ってみる。
といった内容が考えられるだろう。あとはメールマガジン発行システムとの連動システムを作るとか、以前にもココログでビジターヴィルしませんか?(関連記事:サイトを都市として表現し、訪問者の行動をアニメで把握できるソフト(WIRED NEWS))で述べたような、コミュニティ的な要素を後押しする「誰が自分のページにやってきたのか一目で分かる」ツールの全面導入など、いろいろとあるように思う。[N]: mixiはパソコン通信か?でも指摘があるが、ソーシャルネットワーキングサービスも仲間内でのコミュニティサービスとして機能させることができる。ソーシャルネットワーキングサービスとビジターヴィルのような足跡確認ツールを組み合わせることで、いろいろな派生効果が出てくるだろう。
ただし、これらのコミュニティツールを展開する場合無料で使えるようにするのが基本である。仮に有料サービスにするとしても@niftyに料金を支払う必要があるのはコミュニティの主催者のみにすべきだろう。コミュニティへの参加は@nifty利用者でなくても参加してもらえるようにしないと横の広がりが出ないからだ。課金制度による過度の囲い込みを行うよりも、参加ハードルが緩やかなコミュニティを作ったほうが結果としては上手くいくだろう。他プロバイダ等と連携し、ソーシャルネットワーキングサービスの相互乗り入れ展開を行うなどした方がコミュニティの数が増えるはずだ。また、ソーシャルネットワーキング内のコミュニティに対してアフィリエイトパッケージを適用することも可能になるのではないだろうか。
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